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ちょっと前、加藤直美さんが、サーフィンの板に乗ることは、舞台の板に乗ることに似ていると言ってた。芝居という波に乗るイメージ。流れを無視して自分本位の芝居をすれば落ちてしまう。瞬間瞬間芝居という名の波を感じていなければいけない。みたいな事だったかな。違うかもしれないけど。いい話だなと思った。
それはそうと、今回芝居中に砂漠に飲み込まれるというシーンがあった。その約10秒。僕は人生を感じていた。
最初、危険と書かれた看板の脇にある小さな砂漠に目がとまる。好奇心。ほんの軽い気持ちで一歩踏み込む。沈む。1秒。まだ抜け出せるが、沈む足をただ見るだけ。2秒。身の危険を感じるも身動きがとれない。3秒。何故か、もう片方の足も入れてしまう。4秒。足場のない所で沈みゆく足を抜こうとする。不毛。5秒。どうにもできない。ただただもがく。6秒。初めて回りを見る。助けを求めたいが誰もいない。7秒。改めて我が身をみる。どうにもならない。8秒。我にかえる。絶望。9秒。後悔。助かりたい。と言う意思すら無くなる。10秒。無。
どんな人生だ。
写真は、芝居で最後ロボットになる青年がいるのだが、その素材を探しにハンズに行ったとき。これを土台に行けるかもと撮った着ぐるみ。行ける訳がねえ。

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