◆ドンちゃん物語

小さな頃からのっぽのドンちゃん。お父さんが大好きなという意味の、ファザコンでした。お父さんはドンちゃんが小2の時から、単身赴任で家族と離れ一人で暮らしていました。ドンちゃんは一人きりで暮らすお父さんのことが心配で仕方なかったのです。お父さんは家族が大好きなので、仕事が忙しくても、週に一回は車で3時間半かけて家族の住む家に帰ってくるのでした。一日だけゆっくりして、次の日には帰ってしまうお父さんを、ドンちゃんは泣きながら見送るのでした。
中学生になっても、高校生になってもドンちゃんはお父さんが心配でした。高校を卒業すると、ドンちゃんはお父さんと暮らすことにしました。これで、心配もなくなる、と喜びました。お父さんはとても幸せそうでした。
そして、本当に幸せだったのです。
つづく