五反田団の前田くんと話してた数日前のこと。
3年程前に映像の現場で一瞬一緒したくらいだけだったのだけど、久々に会ってスッとお喋りできた。一通りなんやかんや話したあと、年齢の話題に入った。
「ノゾエくんて確か同い年だよね」
「いや、俺ちょっと上だと思ったけど」
「え、嘘、俺77年だけど」
「うん俺75年」
「マジ・・すか」
よくあるコントになった。二人で爆笑になったわけだけども、前田くんはそれっきり敬語になってしまった。お願いだからタメ口に戻してくれと言っても結局なかなか戻ることはなかった。少し寂しい気持ちになった。
そんなことがありつつ、その数日後、ハイバイの岩井くんと話してた。なんやかんや話す中、前田くんとの間に起きたコント的事件の話になった。
「で、前田くんが、岩井くんは俺より上だと言ってたけど違うよね?」
「いや、俺確か一つ上だよ」
「え、俺75年だけど」
「でしょ、俺74年だもん」
「マジ・・すか」
またしても起きた。しかも今度は逆の立場だ。岩井くん、いや、岩井さんは気持ち悪いから絶対敬語にしないでと言ってくれるものの、やはり居心地が悪い。タメ口を一言発する度に生意気のようなものを帯びている気持ちになる。この時初めて前田くんが味わった心の葛藤を知る。
文化としての日本特有の綺麗な敬語とか礼儀とかは好きだけど、こういう時は厄介だ。年齢を知った瞬間、それまでの関係が崩れてしまうのはこれどうなんでしょう。岩井くん岩井さん岩井くんとはなんとかギリギリタメ口で踏みとどまるも、常に変な意識がまとわりついてしまった。
よくある小噺で、玄関口で話してるとお茶でも飲んでいきなさいと言われる。本当にあがってお茶を飲んでいくと図々しいやつだと思われる。
岩井くんが言うところのタメ口でいいよっていうのが、この類いではなかったことを祈る。
社会て難しいのら。