ある芝居のワークショップにて、プロのダンサーで「先生」と呼ばれている人と知り合う。
全く芝居なんかしたことのない、アルゼンチンタンゴのダンディな先生。
参加者には初心者も数名含まれていたが、各自配役された役の台詞は入れてこなければならない。自主練必須。
皆で、どこか施設を借りようとしていたら、先生はご自身のスタジオを毎晩開放してくれた。それは、先生自身が毎晩稽古したいからでもあった。一週間、毎晩、通った。先生は合間に、レッスンをしに抜け、戻り、またレッスンで抜ける。しかもワークショップの前日は鎌倉で舞台の本番があったが、急いで戻ってきた。皆も先生を待ち、夜中まで自主練をした。
当日、先生を筆頭に初心者の人も台詞はきちんと入っていた。
あたしがいうのもおこがましいが、だからこの人はプロになったのかなと思った。