その男、鳥島明

はえぎわで花見をした時のこと。はえぎわで花見するのも初めての出来事ではあったのだけど、なぜだか十年間一度も開催されることはなかったのだけども、だもんでこれは盛り上げねばと、ナポリタンとネバネバ三種盛りとバナナケーキを作っていき、バナナケーキに関しては男がそんなもの作るはずないと最後まで焼いたことを信じてくれない人もいたりして、それはともかくとして、知り合って三年ほどの劇団員鳥島明が酒で乱れるのを一度も見たことないなと思い、今日は無礼講でいっちゃってよという雰囲気になった。まんざらでもなさそうな鳥島くんは自らいいペースで飲んでらして、顔もいい感じで赤らんでき、誰もがそのうち現れるであろう鳥島明のハッピーサイドもしくはダークサイドを期待して横目に見ていた。日も沈んだ頃、顔色の青白い鳥島くんがいた。聞くと、さっき吐いたんですよとサラッと言う。そしてゆっくりと横になられた。
結局一瞬たりともアガルこともサガルこともなく、ただ気持ち悪くなっただけで彼は酒に潰えていった。なんやねんっ!
やはり大物なのか。

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